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2026.09.09PICK UP

藤田嗣治の6点の天井画を見て

藤田嗣治の6点の天井画を見て

先日、迎賓館赤坂離宮を訪れました。

今回の目当ては、藤田嗣治が1935年(昭和10年)に銀座の洋菓子店「コロンバン」2階サロンの天井装飾として描いた、6点の油彩作品です。

2026年、藤田嗣治が生誕140周年を迎えたことを記念し、9/15まで特別に展示されています。

これらの作品は、戦時中に疎開、保管された後、1974年(昭和49年)に迎賓館へ寄贈されたそうです。

絵画全6点は、 約130号 (約1,540mm×2,110mm) という存在感のある大きさで、18世紀ルイ王朝時代のフランス風俗が描かれたすばらしいものでした。

作品そのものももちろんですが、この作品がたどってきた時間について考えると大変興味深いです。

フジタは戦時中、日本に戻り、戦争記録画を制作しました。

そして戦後、そのことをめぐって厳しい批判を受け、日本を離れることになります。

そんなフジタが、まだ戦争の影が色濃くなる前の日本で描いた作品。

その作品が現在、日本を訪れる賓客を迎える「迎賓館」という場所にある。

それを知ったとき、なんとも不思議な、そして感慨深い気持ちになりました。

画家自身は日本を離れ、二度と戻ることはありませんでした。

けれども、フジタが日本に残した作品の一部は、長い時間を越えて、今もここに残っています。

作品が90年以上の時間を旅してきたことを思うと、絵を見るということが、単に「描かれたものを見る」だけではないように感じます。

その作品がどこで生まれ、誰に愛され、どんな時代を通り、そしてなぜ今ここにあるのか。

そんなことまで考えながら作品を見ると、また違ったものが見えてくる気がします。

ちなみに、迎賓館の内部は撮影禁止のため、今回は作品の写真はありません。

代わりに、迎賓館の美しい建物と門の写真を。

その場所に立って、フジタの6点の作品がここにあることを知るだけでも、特別な時間となりました。

迎賓館赤坂離宮 藤田嗣治生誕140周年 特別参観

西玄関:「犬を抱く女性と楽士」

西玄関:「葡萄畑の女性」

花鳥の間:「貴婦人と召使い」

花鳥の間:「ポプラ並木の女性と楽士」

東玄関:「女性と天使」

東玄関:「母と娘」